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じまなひび

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2004年 08月 27日

ヒートアイランド

ヒートアイランド_b0004863_1125415.jpg
大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞W受賞作家 垣根涼介の「ヒートアイランド」。
本作品は、渋谷のストリートギャングのヘッドであるアキとカオルは仲間が成り行きで手に入れ、持ち帰った大金をみて驚愕する。実はその大金はヤクザが経営するカジノバーから強盗集団が強奪したものだった。そして、その大金に絡むストリートギャング・ヤクザ・強盗集団の攻防が描かれたミステリーである。

いやぁ、面白い!
電車で降りなきゃいけない駅を乗り過ごすぐらい集中して読んでしまった。
アキとカオルの巧みなチームプレー、腕利きの強盗集団、頭の切れるヤクザ。
どれも抜け目のない人間たちの息を飲む攻防ははらはらしながらも猛スピードでページをめくってしまう。
どの登場人物も一般人から見たら普通ではないご職業につかれてはいるが、どうして彼らが今そこにいるのか、なぜストリートギャングのヘッドになったのか、なぜ強盗になったのか、なぜヤクザになったのか。登場人物の背景が細かく描かれ、その必然性によってとても親近感を得てしまう。
3者の攻防は、偶然と必然が緻密に設計されていて、さらにスピード感もあって読み手をひきつけて離さない。
ただ、登場人物の頭が切れすぎる部分もあってその点は鼻についたが、それを無視できるぐらいわくわくさせられたのでOK。

そして話は「ギャングスター・レッスン」、「サウダージ」へ続くのです。
この二つ、まだまだ文庫化されないんだよなぁ。
ハードは買わないと決めている私だけど、もしかしたら買っちゃうかも。

by zima_55 | 2004-08-27 14:26 | Book


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